2012年5月18日金曜日

糖尿病予防、または糖尿病治療のための相乗作用の薬学的組成物|詳細 - Astamuse(アスタミューゼ)


以下の情報は、特許登録日時点(2010年10月01日)のものです。

0001

本発明は、前糖尿病状態、代謝X症候群、または糖尿病の治療及び予防、同様に、上記の状態に伴い発生する疾患、すなわち、内因性代謝疾患、インスリン抵抗性、低脂血症、脱毛症、広範性脱毛症、および・あるいはアンドロゲン優位に起因する女性の内因性内分泌腺疾患の予防、治療に適した相乗作用を有する薬学的組成物に関する。


0002

産業的に発達を遂げた国では、ますます多くの人々が糖尿病を患うようになっている。例えば、2型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病、NIDDM)は、インスリンの生成と使用の両方の欠陥によって進行する。遺伝的および環境的要因は同等であり、著しく高い死亡率を伴う、この広範囲にわたる深刻な病気を助長している。インスリン、または他の抗糖尿病薬、あるいは抗高脂血症剤により治療を受けている患者は、実際には、生活の質を向上させるために、単に一時的な治療を受けているだけである。このため、糖尿病を伴う合併症は不可避に思われる。


0003

本発明の目的は、糖尿病、あるいは少なくとも糖尿病を伴う合併症の進行を阻止したりするのに適した薬学的組成物、あるいはそのような阻止がそれ以上不可能である場合、該合併症の効率的な治療を提供するものである。


0004

上記目的は、下記事項を含む相乗作用を持つ薬学的組成物により達成される。
(a)メトホルミンおよび一つまたはそれ以上の通常のキャリヤーを含有する第1の薬学的成分、
および
(b)下記構造式のヒドロキシム酸誘導体であるO−(3−ピペリジノ−2−ヒドロキシ−1−プロピル)ニコチンアミドキシム、または該アミドキシムに薬学的に適切な酸が付加した塩、および一つまたはそれ以上の通常のキャリヤーを含有する第2の薬学的成分。

化学式1

0005

上記構造式において、
は、水素原子または1−5アルキル基を示し、

0006

は、水素原子、C1−5アルキル基、C3−8シクロアルキル基、または水酸基もしくはフェニル基で任意に置換されることがあるフェニル基を意味し、あるいは
およびRは、連結している窒素原子と共同して、一つまたはそれ以上の窒素、酸素、又は硫黄原子を含むことがある5〜8員環を形成し、この環は他の脂環式又は複素環、好ましくはベンゼン、ナフタリン、キノリン、イソキノリン、ピリジン、もしくはピラゾリン環と縮合が可能であり、更に、窒素および・または硫黄のヘテロ原子は、酸化物、または二酸化物の形で存在することができ、

0007

は、水素原子、または一つまたはそれ以上のハロ原子、またはC1−4アルコキシ基により置換が可能である水素原子、フェニル基、ナフチル基、またはピリジル基を表し、

0008

Yは、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基により任意に置換されるアルコキシ基、1〜6個の二重結合を含むC2−24ポリアルケニルオキシ基、C1−25アルカノイル基、C3−9アルケノイル基、またはR1〜6個の二重結合を含む、C2−30ポリアルケニル基であるところの構造式R−COO基を意味し、

0009

Xは、ハロゲン原子、アミノ基、C1−4のアルコキシ基を意味し、あるいは、XはBと共に酸素原子を形成し、あるいは
XとYは、それらが連結している炭素原子と、該炭素原子の間にある−NR−O−CH−基と共に下記構造式の環を形成し、

化学式2

0010

上記構造式において、
Zは、酸素原子、または構造式−N=もしくは−NH−を示し、
Rは、水素原子を意味し、または
Rは、Bと化学結合を形成し、
AはC1−4アルキレン基、または下記構造式で示される化学結合、あるいは化学式を表し、

化学式3

0011

上記構造式において、
は、水素原子、C1−5アルキル基、C3−8シクロアルキル基、またはハロゲン原子、C1−4アルコキシ基、またはC1−5アルキル基によって任意に置換されるフェニル基を示し、
は、水素原子、C1−4アルキル基、またはフェニル基を示し、
mは、0、1または2の値をもち、
nは、0、1または2の値をもつ。


0012

本発明は、構造式1のヒドロキシム酸誘導体がインスリンの感受性を高めるという認識を基礎としている。したがって構造式1のヒドロキシム酸誘導体であるO−(3−ピペリジノ−2−ヒドロキシ−1−プロピル)ニコチンアミドキシム、または該アミドキシムに薬学的に適切な酸が付加した塩の存在のもとで、病的状態の治療に使用される抗糖尿病、または抗高脂血症における活性物質は、極めて低い量の投与で、目的とする効果を得ることが可能であり、それにより、従来の治療で伴う副作用を軽減、あるいはなくすことが可能となる。

0013

構造式1のヒドロキシム酸誘導体は、米国特許番号4、308、399および欧州特許番号417210からも周知の通りである。これらの文献によると、化合物は糖尿病性血管症の治療として使用が可能とされており、それらの一部には優れたβ受容性遮断効果があることが分かっている。

0014

ハンガリー特許出願番号2385/92(公開番号:T/66350)によると、構造式1で表されるいくつかのヒドロキシム酸誘導体は、糖尿病由来の血管合併症の治療に使用可能である。

0015

構造式1のヒドロキシム酸誘導体の多岐にわたる生物学的効果もまた周知の通りで、例えばその中には、ミトコンドリアを起源とする疾病の予防および治療(WO97/13504)、細胞のストレスたんぱく質のレベルを向上させる(WO97/16439)、皮膚の老化の進行を遅らせる効果(WO97/23198)、自己免疫疾患に対する効果(WO00/07580)、その他がある。


0016


誰かが窒息されたときに何を行うには

薬学的組成物は2つの薬学的な活性物質と関連性があり、
1)どちらの活性物質もひとつずつ変換し、1つ以上の通常のキャリヤーと通常の製薬過程を使用した個々の薬学的成分に分けられる。
この場合、入手した2種類の薬学的成分は、同時に患者に投与するか、あるいは1つずつ間隔を空けて投与する。
2)または、この2つの活性物質を、1つの薬学的組成物に変換させ、それを必要とする患者に投与することが可能である。後者の場合、薬学的組成物はその2つの活性物質の混合物を含んでおり、それぞれの活性物質は、薬学的組成物の異なる場所に存在することが可能となる。例えば、1つは錠剤の中心の部分にあり、他方は錠剤中心のコーティング部分の中に存在することも可能となる。勿論、単一の薬学的組成物を生成するには、1つ以上の通常のキャリヤー、および通常の製薬過程が使用される。

0017

抗糖尿病活性物質のもと、糖尿病に対する治療に従来的に使用される薬理的活性物質は重要な意味をもつ。その薬理的活性物質には下記の物質が主に含まれる。
−インスリン
−インスリン感受性活性物質
−インスリンの生成を促進する活性物質
−スルホンアミド
−ビグアニジン誘導体
−αグルコシダーゼ阻害剤

0018

第一に、インスリンとして、遺伝子組み換え技術により作られた人間のインスリンが、一般的に非経口投与されることにより使用される。

0019

インスリン感受性活性物質はインスリンの効果を高める。その中で最も重要な種類には、PPAR(ペルオキシゾーム増殖活性化受容体)γ−作用薬、例えば、
ピオグリタゾン[[(±)−5−[[4−[2−(5−エチル−2−ピリジニル)エトキシ]フェニル]メチル]−2,4−チアゾリジネジオン]、
トログリタゾン[(±)−5−[[4−[(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)メトキシ]−フェニル]メチル]−2,4−チアゾリジネジオン]、
シグリタゾン[5−[[4−[(1−メチルシクロヘキシル)メトキシ]フェニル]メチル]−2,4−チアゾリジネジオン、
ロシグリタゾン[(±)−5−[4−[2−[N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ]−エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン]、
および他の2つの4−チアゾリジンジオン誘導体、ならびにその薬学的に適した酸を付加した塩がある。

0020

インスリン生成を促進する上記物質には、例として次のものがある。:
ミチグリニド[(αS,3aR,7aS)−オクタヒドロ−γ−オキソ−α−(フェニルメチル)−2H−イソインドール−2−ブタン酸]、
レパグリニド[(S)−2−エトキシ4−[2−[[3−メチル−1−[2−(1−ピペリジニル)フェニル]ブチル]アミノ]−2−オキソエチル]安息香酸]、
セナグリニド(すなわち、ナテグリニド)[N−[[(トランス−4−(1−メチルエチル)−シクロヘキシル)カルボニル]−D−フェニルアラニン]、または
薬学的に適した酸を付加した塩、またはその薬学的に適した塩がある。

0021

サルファ剤の中で最も重要なものは、スルホニルウレア誘導体、つまり、
トルブタミド[N−[(ブチルアミノ)−カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド]、
クロロプロパミド[4−クロロ−N−[(プロピルアミド)カルボニル]ベンゼンスルホンアミド]、
トラザミド[N−[[ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル]アミノ]カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド]、
アセトヘキサミド[4−アセチル−N−[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]ベンゼンスルホンアミド]、およびその他があり、
第1世代として、スルホニルウレア、例えば、グリブライド[5−クロロ−N−[2−[4−[[[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]アミノ]スルホニル]フェニル]−エチル]−2−メトキシベンズアミド]、
グリピザイド[N−[2−[4−[[[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]アミノ]スルホニル]フェニル]エチル]−5−メチルピラジンカルボキサミド]、
グリクラジド[N−[[ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−イル]アミノ]カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド]、
グリメピリド[トランス−3−エチル−2,5−ジヒドロ−4−メチル−N−[2−[4−[[[[(4−メチルシクロヘキシル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]フェニル]エチル]−2−オキソ−1H−ピロール−1−カルボキサミド]、
グリキドン[N−[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]−4−[2−(3,4−ジヒドロ−7−メトキシ−4,4−ジメチル−1,3−ジオキソ−2(1H)−イソキノリニル)エチル]ベンゼンスルホンアミド]、
グリボルヌライド[N−[[3−ヒドロキシ−4,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル]アミノ]カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド]、
グリソキセピド[N−[2−[4−[[[[(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]フェニル]エチル]−5−メチル−3−イソオキサゾールカルボキシアミド]、
グリベンクラミド[5−クロロ−N−[2−[4−[[[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]−アミノ]スルホニル]フェニル]エチル]−2−メトキシベンズアミド]、
グリセンタイド[N−[2−[4−[[[(シクロペンチルアミノ)カルボニル]アミノ]スルホニル]フェニル]−エチル]−2−トキシベンズアミド]、
グリソルアミド[N−[2−[4[[[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]アミノ]スルホニル]フェニル]エチル]−5−メチル−3−イソオキサゾールカルボキシアミド]、
グリブゾール[N−[5−(1,1−ジメチルエチル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド]、
グリクロピラミド[4−クロロ−N−[(1−ピロリジニルアミノ)カルボニル]ベンゼンスルホンアミド]、その他があり、
第2世代として、スルホニルウレア、およびその薬学的に適した酸を付加した塩がある。

0022

最も重要なビグアニジン誘導体は、下記化学構造式により特徴づけることが可能である。

化学式4

0023

上記構造式において、
、R、R10およびR11のうちの1つが、水素原子以外のものであるという条件のもとに、、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素原子、C1−10アルキル基、ナフチル基、フェニル基、またはフェニル(C1−4アルキル)基を意味し、そのフェニル基はいずれの場合も、それぞれハロ原子、C1−4アルキル基、またはC1−4アルコキシ基であり得る1−3個の置換基によって任意に置換され、あるいは、
とRおよび、R10とR11の両方またはいずれか一方は、隣接する窒素原子とともに、窒素原子を含む飽和もしくは不飽和の5〜6員環、または芳香環との縮合が可能な飽和もしくは不飽和の5〜6員環、あるいは必要により窒素原子を含む芳香環を形成する。

0024


たるんだ皮膚の重量損失を回避する

特に好ましいとされるビグアジニン誘導体には、メトホルミン[N,N−ジメチルイミドカルボンイミド ジアミド]、ブホルミン[N−ブチルイミドジカルボンイミド ジアミド]、およびフェンホルミン[N−(2−フェニルエチル)イミドジカルボンイミド ジアミドがある。

0025

αグルコシダーゼ阻害剤は酵素αグルコシダーゼを阻害する。この阻害剤の重要な代表例として、ミグリトール[1,5−ジデオキシ−1,5−[(2−ヒドロキシエチル)イミノ]−D−グルシトール]、
アカルボース[O−4,6−ジデオキシ−4−[[[1S−(1α,4α,5β,6α)]−4,5,6−トリヒドロキシ−(3−ヒドロキシメチル)−2−シクロヘキセン−1−イル]アミノ]−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−O−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−D−グルコース]、
ボグリボース[3,4−ジデオキシ−4−[[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ]−2−C−(ヒドロキシメチル)−D−エピイノシトール]、その他がある。

0026

抗高脂血症活性物質のもと、高血中脂質レベルに対する治療に従来通り使用される薬理学的活性物質は、いずれも重要な意味をもつ。
それらには下記の通り大別することができる化合物がある。:
アリールオキシアルカン酸誘導体、
HMG補酵素レダクターゼ阻害剤、
ニコチン酸誘導体、
胆汁酸中和剤

0027

アリールオキシアルカン酸誘導体のうち、好ましい活性物質には、例えば、クロフィブラート[2−(4−クロロフェノキシ)−2−メチル−プロパン酸エチルエステル]、
ゲムフィブロジル[5−(2、5−ジメチルフェノキシ)−2,2−ジメチルペンタン酸]、シンフィブラート[2−(4−クロロフェノキシ)−2,2−メチルプロパン酸1,3−プロパンジイル エステル]、
エトフィブラート[3−ピリジンカルボン酸 2−[2−(4−クロロフェノキシ)−2−メチル−1−オキソプロポキシ]エチルエステル]、
シプロフィブラート[2−[4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)フェノキシ]−2−メチルプロパン酸]、
ロニフィブラート[3−ピリジンカルボン酸3−[2−(4−クロロフェノキシ)−2−メチル−1−オキソプロポキシ]プロピル エステル]その他がある。

0028

HMG補酵素レダクターゼ阻害剤の中で、最も重要な活性物質には下記のものがある。:
ロバスタチン[[1S−[1α(R),3α,7β,8β(2S,4S),8αβ]]−2−メチルブタン酸 1,2,3,7,8,8α−ヘキサヒドロ−3,7−ジメチル−8−[2−(テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−オキソ−2H−ピラン2−イル)エチル]−1−ナフタレニル エステル]、
フルバスタチン[[R,S−(E)]−(±)−7−[3−(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチルエチル)−1H−インドール−2−イル]−3,5−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸]、
プラバスタチン[[1S−[1α(βS,δS),2α,6α,8β(R)、8aα]]−1,2,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−β,δ,6−トリヒドロキシ−2−メチル−8−(2−メチル−1−オキソブトキシ)−1−ナフタレンヘプタン酸−モノナトリウム塩]、
シムバスタチン[[1S−[1α,3α,7β,8β(2S,4S),8αβ]]−2,2−ジメチルブタン酸1,2,3,7,8,8a−ヘキサヒドロ−3,7−ジメチル−8−[2−(テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−オキソ−2H−ピラン−2−イル)エチル]−1−ナフタレニル エステル]、
アトルバスタチン[[R−(R,R)]−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ,ジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−[(フェニルアミノ)カルボニル]−1H−ピロール−1−ヘプタン酸]、その他がある。

0029

ニコチン酸誘導体のうち、下記の物質が使用される。
アシピモックス(acipimox)[5−メチルピラジンカルボン酸 4−オキシド]、
ニセリトロール[3−ピリジンカルボン酸 2,2−ビス[[(3−ピリジニルカルボニル)オキシ]メチル]−1,3−プロパンジイル エステル]、
ニコモール[3−ピリジンカルボン酸(2−ヒドロキシ−1,3−シクロヘキサンジイルイジン)−テトラキス(メチレン)エステル]、
ニコクロナート[3−ピリジンカルボン酸 1−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピル エステル]、その他。

0030

胆汁酸を結びつける酸中和剤のうち、重要なものは下記の通りである。:
コレスチポール[塩基性陰イオン交換樹脂:(クロロメチル)オキシランを伴った、N−(2−アミノエチル)−N'−[2−[(2−アミノエチル)アミノ]−エチル]−1,2−エタンジアミン ポリマー]、
コレスチラミン[スチレン−ジビニルベンゼン共重合体に結合する第四級アンモニウム官能基を備えた合成の強塩基性陰イオン交換樹脂]、
ポリデキシド[腸内の胆汁酸を結びつける第四級アンモニウム基を備えた陰イオン交換樹脂]、その他。

0031

抗糖尿病、および抗高脂血症活性物質は、文献資料からは周知の通りである。必要であり、かつ化学的に可能であれば、これらの活性物質は、その薬学的に適した酸を付加した塩という形で、あるいは、薬学的に適した塩基類と共に形成する塩という形で使用することが可能である。

0032

本明細書および請求項において、C1−4アルキル基は、メチルエチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert.−ブチル、またはイソブチル基である。

0033

上記で明記されるもの以外でC1−5アルキル基は、例えばn−ペンチル基でもある。

0034

1−4アルコキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、あるいはn−ブトキシ基である場合がある。

0035

ハロ原子は、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード原子である。

0036

3−8シクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘプチル、またはシクロオクチル基を意味する。

0037

窒素原子を含み、さらにヘテロ原子を含む場合がある5〜8員環からなる環状化合物には、例えば、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、モルフォリン、インドール、キノリン基等がある。

0038

上記にあげられるアルコキシ基以外に、C1−24アルコキシ基には、例えば、n−ペントキシ、デシロキシ、ドデシロキシ、オクタデシロキシ基、その他がある。

0039

1−25アルカノイル基には、例えば、フォルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、カプロイル、パルミトイル、ステアロイル基、その他がある。

0040

3−9アルケノイル基には、例えば、アクリロイル、ペンテノイル、ヘキセノイル、ヘプテノイル、オクタノイル基、その他がある。

0041


"40以上"と運動と "体重減少"と "プログラム"

Yが構造式R−COO−基を示す場合、それは、例えば、リノレノイル、リノロイル、ドコサヘキサエノイル、エイコサペンタノエイル、アラチドノイル基、その他である可能性がある。

0042

がピリジル基を意味する場合、必要であれば、その中の窒素原子はN−オキシドの形で存在する場合がある。同様に、RおよびRが、隣接する窒素原子と共に、5〜8員環からなる環状化合物、例えば、ピペリジル環状化合物を形成する場合、必要であれば、その中の窒素原子もまた、N−オキシドの形で存在することが可能である。

0043

薬学的に適した酸を付加した塩のもと、塩化水素、または硫酸等のような薬学的に適した無機酸と共に形成する酸を付加した塩、あるいは酢酸、フマル酸、乳酸等のような薬学的に適した有機酸と共に形成する酸を付加した塩は重要な意味をもつ。

0044

抗糖尿病、または抗高脂血症活性物質が、塩基とともに塩を形成可能な化学構造をもっている場合、薬学的に適した非有機塩、あるいは有機塩とともに形成される活性物質の塩もまた使用が可能である。この活性物質が酸とともに酸を付加した塩を形成可能である場合、その活性物質の薬学的に適した酸を付加した塩もまた使用が可能である。

0045

構造式1のヒドロキシム酸誘導体の中で、好ましい下位に分類されるものは、下記構造式のヒドロキシム酸誘導体およびその薬学的に適した酸を付加した塩、で構成されている。

化学式5

0046

この構造式の中で、R、R、R、R、R、m、およびnは、構造式1で定義されている通りであり、Xはアミノ基を意味しており、Yはヒドロキシ基を示す。

0047

構造式2のヒドロキシム酸誘導体において、RおよびRは、隣接する窒素原子とともにピペリジノ基を形成し、Rはピリジル基であり、mおよびnは、ともに0値であり、Xは上記の定義通りであり、その薬学的に適した酸を付加した塩は、特に好ましいといえる。その中でも、O−(3−ピペリジノ−2−ヒドロキシ−1−プロピル)ニコチンアミドキシム、および薬学的に適した酸を付加した塩、特にモノヒドロクロライド、あるいはジヒドロクロライドが特に好ましい。

0048

構造式1のヒドロキシム酸誘導体でもうひとつの有望とされる下位部類は、下記構造式の化合物およびその薬学的に適した酸を付加した塩で構成されている。

化学式6

0049

この構造式において、R、R、R、およびAは、構造式1に定義される通りである。

0050

構造式1のヒドロキシム酸誘導体の好ましい下位分類にはさらに、下記構造式の環状化合物およびその薬学的に適した酸を付加した塩で構成されている。

化学式7

0051

上記構造式において、R、R、R、およびAは、構造式1に定義される通りであり、Zは、酸素原子、または構造式−N=基または−NH−基を意味する。

0052

構造式1のヒドロキシム酸誘導体に関して、さらに好ましい下位分類の物質は、下記構造式の化合物および薬学的に適した酸を付加した塩で構成されている。

化学式8

0053

上記構造式において、R、R、R、およびAは、構造式1に定義されている通りであり、Rは、C1−4アルキル基を意味する。

0054

構造式1の化合物は、米国特許第4、308、399号、欧州特許第417210号、およびハンガリー特許出願公開番号T/66350により、公知されている過程を使用することにより生成することが可能である。

0055

本発明の相乗作用の薬学的組成物において、(a)メトホルミン、および(b)O−(3−ピペリジノ−2−ヒドロキシ−1−プロピル)ニコチンアミドキシム、または該アミドキシムに薬学的に適切な酸が付加した塩との質量比(重量配分比)は、一般的にはともに(1−100)対(100−1)となる。薬学的組成物において、1つ、または2つの成分は、経口または非経口投与に適しており、固体、もしくは液体物質である。適切な投薬形態およびその製造、ならびに有用な基材については、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、 Mack Publishing Co., Easton、 USAの文献において公知である。

0056

本発明における好ましい相乗作用の薬学的組成物は、(a)構造式2のヒドロキシム酸誘導体であるO−(3−ピペリジノ−2−ヒドロキシ−1−プロピル)ニコチンアミドキシム、あるいはジヒドロクロライド、またはモノヒドロクロライドのような、薬学的に適した酸を付加した塩、ならびに、(b)メトホルミンであり、それぞれの活性物質が別々の薬学的成分、あるいは各成分をひとつの薬学的組成物として存在する。


0058

グルコース感受性における本発明の組成物の影響が、下記のようなテストを用いて研究された。行われたすべての実験における実験動物の世話と使用については、欧州共同体(EU)の指導原理に準拠している。

0059


実験に一貫して使用されたのは、ニュージーランド産の体重3乃至3.2キログラムの成熟した複数の雄の白ウサギであり、動物飼育室で(1日12時間ずつ明暗コントロールし、気温を22℃から25℃に保ち)一匹ずつ囲み、それぞれ任意に、市販されている実験用の食餌と水道水を与えた。実験用ウサギは、2週間の適応期間の後、手術を受けた。
手術は無菌状態のもとで行われた。ウサギには、10mg/kgのジアゼバム(アメリカ合衆国、モンタナ州、セントルイスにあるシグマ社製:Sigma、 St. Louis、 MO、 USA)および5mg/kgのケタミン(ハンガリー国ブダペストにあるエジス・ファーマシューティカルズ社製、:EGIS Pharmaceuticals Ltd., Budapest、 Hungary)を使用した静脈内ボーラスで麻痺させた。リドカイン(ハンガリー国ブダペストにあるエジス・ファーマシューティカルズ社製、:EGIS Pharmaceuticals Ltd., Budapest、 Hungary)は、スジルバシー・Zその他、Br.J.ファーマコル 112、999−1001(1994)により明らかにされている通り局部の鎮痛用に皮下注射された。ポリエチレンカテーテルを頸静脈と頸動脈の2本の主流部分に差し込んだ。そのカテーテルは、首の後ろを通して外に露出させた。これらの管はヘパリンナトリウム溶液(100IU/ml)を満たすため利用された(カテーテル:細いゴム管)。

0060

ハイパーインスリンアエミック状態における、オイグリカエミックなグルコースのクランプ(固定)に関する研究
ヒトの通常インスリンを、一定の割合(13mU/kg、コペンハーゲン、ノボ・ノルディスク)で、静脈カテーテルのひとつを通して120分間以上にわたり注入した。このインスリンの注入は、定常状態では、100±5μU/mlのプラズマ−インスリン免疫反応性を示した。この数値は、通常の上限値の5倍に相当するものである。血糖濃度を測るため、血液サンプル(0.3ml)を10分間隔で動脈カニューレから採取した。血糖濃度は、2番目の動脈カニューレを通してグルコース注入率を変化させることにより一定(5.5±0.5mmol/L)に保った。血糖が少なくとも30分間安定した時点で、この条件を定常状態と定義した。この定常状態において、プラズマ−インスリン測定のため、再度血液サンプル(0.� �ml)を10分間隔で採取した。インスリン感受性を特徴付けるため、定常状態の間のグルコース注入率(mg/kg/分)を使用した[DeFronzo R.A.et al.,Am.J.of Physiol.,237,E214−223(1979)]。
テスト化合物が健康なウサギ、および高コレステロール血症のウサギにそれぞれ一日一回の割合で5日間経口投与され、6日目に測定されたグルコース注入率は、6匹のウサギから構成される各テストグループにおいて平均的な値を示した。健康なウサギと高コレステロール血症のウサギ1匹で構成されるグループをコントロールとして使用した。その実験結果が下記表1である。

0061

表1
定常状態におけるグルコース注入率(mg/kg/分)により特徴付けられるインスリン感受性
通常 : 健康なウサギがテストに使用された。
HC : 高コレステロール血症のウサギがテストに使用された。
BGP−15: O−(3−ピペリジノ−2−ヒドロキシ−1−プロピル)ニコチン アミドキシム ヒドロクロライド

表1

0063

実際に、上記テストにおいて、定常の血糖値を得るために注入されるグルコース量が測定された。インスリンの効果が促進されたと示すには、与えられた一定の血糖値に対してグルコース量をより多くすることが好ましい。その結果として、グルコース注入率が高ければ高い程、より効果的な働きをテスト化合物で得ることができる。

0064

表1に見られるように、健康なウサギは、言うまでもなく高コレステロール血症のウサギよりも高い数値を示している。コントロールグループにおいては、BGP−15またはメトホルミンで治療したグループよりも、低いグルコース注入率を示している。いずれにせよ、健康なウサギとコレステロール血症のウサギの両方において、テスト化合物のひとつだけを投与された場合よりも、BGP−15およびメトホルミンの両方で治療を受けたウサギの方が、グルコース注入率が著しく高いのがわかる。よって、相乗作用がBGP−15とメトホルミンの間に確認される。

0066

本発明には、前糖尿病状態、代謝X症候群、または糖尿病の治療法または予防法、ならびにそれら疾病に関連した疾患、すなわち、内因性代謝疾患、インスリン抵抗性、低脂血症、脱毛症、広範性脱毛症、およびアンドロゲン優性に基づく女性内分泌腺疾患の治療法または予防法が含まれており、それらの治療法または予防法には、上記の症状を患い、あるいはその症状に脅かされている患者が、一方においては、治療的に有効量の抗糖尿病、あるいは抗高脂血症活性物質、あるいは、必要かつ化学的に可能であれば、薬学的に適した酸を付加した塩、またはその薬学的に適した塩基と共に形成される塩を用いて受ける治療法、あるいは、もう一方では、構造式1のヒドロキシム酸誘導体、または薬学的に適した酸を付加した塩を� �効量使用して受ける治療が含まれる。

0067

抗糖尿病または抗高脂血症の活性物質、および構造式1のヒドロキシム酸誘導体を、例えば秒間隔、または分間隔、あるいはそれより長い10分から30分の間隔で、同時に、あるいは順番に投与することが可能である。

0068

構造式1のヒドロキシム酸誘導体は、抗糖尿病、または抗高脂血症の活性物質の治療的効果を相乗的に高めるので、本発明の過程における、抗糖尿病、または抗高脂血症剤の一日量は、構造式1のヒドロキシム酸誘導体が投与されない従来の治療法に使用される量よりも少なくなる。


0069

本発明の過程を使用することで、特に下記に示す臨床パターンは防止することが可能であり、また一旦症状が進行しても、効果的な影響を及ぼすことが可能となる。
— グリコース不耐性、またはインスリン抵抗性のような前糖尿病状態
— 代謝X症候群
— 2種類の糖尿病(IDDMおよびNIDDM)
— 特に、網膜症、神経障害、多嚢胞性卵巣症候群(PCOC)、妊娠糖尿病(GDM)、動脈性筋緊張亢進、低脂血症、動脈硬化、肥満症、糖尿病を伴う心筋梗塞に関する糖尿病合併症、その他。

0070


このように、本発明には、活性物質、特に、前糖尿病状態、代謝X症候群、または糖尿病の治療法または予防法、ならびにそれら疾病に関連した疾患、すなわち、内因性代謝疾患、インスリン抵抗性、低脂血症、脱毛症、広範性脱毛症、およびアンドロゲン優性に基づく女性内分泌腺疾患の治療法または予防法に使用される抗糖尿病、または抗高脂血症の活性物質の有効性を相乗作用的に促進させる薬学的組成物の生成のための、構造式1のヒドロキシム酸誘導体、または薬学的に適した酸を付加した塩の使用が含まれる。その結果、構造式1のヒドロキシム酸誘導体、または薬学的に適した酸を付加した塩を活性物質として含む薬学的成分を、前糖尿病状態、代謝X症候群、または糖尿病の治療法または予防法、ならびにそ� ��ら疾病に関連した疾患、すなわち、アンドロゲン優性に基づく内因性代謝疾患、インスリン抵抗性、低脂血症、脱毛症、広範性脱毛症、および女性内分泌腺疾患の治療または予防のために、抗糖尿病、または抗高脂血症の活性物質を用いて治療を受けている患者に対して投与することが可能である。構造式1のヒドロキシム酸誘導体、または薬学的に適した酸を付加した塩を、活性物質として含む薬学的成分を投与すると、結果として、抗糖尿病、または抗高脂血症の活性物質の使用量は少なくなる。構造式1のヒドロキシム酸誘導体、または薬学的に適した酸を付加した塩、例えば、O−(3−ピペリジノ−2−ヒドロキシ−1−プロピル)ニコチンアミドキシム、またはジヒドロクロライド、または一塩酸塩のような薬学的に酸� ��付加した塩を活性物質として含んだ薬学的成分を、糖尿病患者や通常のインスリン治療を受けている患者に対して投与した場合、インスリンの一日量を少なくすることが可能であり、それによりインスリン抵抗性の進行が回避されることになる。



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